サヨナライツカいつも人はサヨナラを用意して生きなければならない孤独はもっとも裏切る事のない友人の1人だと思うほうがよい 愛に怯える前に、傘を買っておく必要がある どんなに愛されても決して愛しすぎてはならない 愛なんか季節のようなもの ただ巡って人生を彩りあきさせないだけのもの 愛なんて口にした瞬間、消えてしまう氷のカケラ サヨナライツカ 永遠の幸福なんてないように 永遠の不幸もない いつかサヨナラがやってきて、いつかコンニチワがやってくる 人間は死ぬ時、愛されたことを思い出すヒトと 愛したことを思い出すヒトにわかれる 私はきっと愛したことを思い出す サヨナライツカ/辻仁成 ------------------------------------------------------ 私もきっと愛したことを思い出す。 |